セールスコーチングとは、セールスに適応させたコーチングのことです。
通常のコーチングは、クライアント(コーチングを受ける人)もコーチングの内容にも、特に決まりはありませんが、セールスコーチングは「対象がセールスパーソンであること」、そして「コーチングの目的がセールスの業績向上におかれること」に特徴があります。 コーチングは「相手の自己実現をサポートし自律性を引き出すシステムである」と定義できますが、コーチは相手の特徴、強み弱みを的確に把握して、一人一人に適した方法でコーチングをしなければなりません。
セールスコーチングは、セールスパーソンが「どのタイプのセールスで成功するのか」を、セールスパーソンの個性や志向を考慮しながら明確にし、そのために「どんなコンピテンシー(※)を強化すべきか」を明らかにします。 そしてセールスパーソン自ら主体的に能力開発に取り組めるようにします。
このようなセールスにおける総合的な能力開発体系がセールスコーチングです。
セールスコーチング協会では、セールスを4つのタイプに分類しています。
(詳細は「セールススキル標準化」をご覧ください)
あるセールスパーソンが「転職したとたん成績が上がった」、もしくは「下がった」という話をよく耳にします。それは、同じ「営業職」とは言っても、仕事内容も使うコンピテンシーも全く違うことが原因なのです。 「どのタイプのセールスでも売れる」というセールスパーソンは滅多にいません。セールスパーソン個々人が最も力を発揮できるタイプを志向させ、強化すべきコンピテンシーを明らかにするとき、セールスパーソンの業績を伸ばすことが容易になります。
※「コンピテンシー」とは
ある特定の職務で高業績を達成するために必要な行動の特性。例えば、入社して年数が経つほど「責任感」や「マネジメント能力」は 高まっていくが、それに伴ってセールスの業績が高くなるわけではない。コンピテンシーはある特定の職務において必要とされる能力であり、 高業績者の行動特性を分析し共通要素を抽出して定められる。